JavaScriptってセミコロンを省略してもコードが動きますよね。
そのことについて調べていたらASI(Automatic Semicolon Insertion: 自動セミコロン挿入)という言葉にたどり着きました。
いろいろ調べていたら気をつけないといけないことなどもいろいろあったので、ここではASIの仕組みや注意点など調べたことをまとめて解説します。
ASI(Automatic Semicolon Insertion)とは?
ASIが働く仕組みを簡単に説明
JavaScriptでは、コードが実行される際に、必要な箇所に自動的にセミコロンを補完する機能があります。この仕組みをASI(Automatic Semicolon Insertion)と呼びます。
以下のようなコードではセミコロンを省略しても動作します。
let x = 5
let y = 10
console.log(x + y)
Code language: JavaScript (javascript)
上記は、JavaScriptエンジンによって次のように解釈されます。
let x = 5;
let y = 10;
console.log(x + y);
Code language: JavaScript (javascript)
なぜセミコロンを省略できるのか?
JavaScriptエンジンはコードの改行や文法的な区切りを解析し、「ここにセミコロンを入れるべきだ」と判断します。
その結果、開発者が書かなくても自動的に正しい形に補完されます。
JavaScriptにおけるセミコロンの役割
セミコロンは、JavaScriptにおいて文の終わりを示す記号です。
省略可能ではあるものの、コードの解釈に影響を与える場合もあるため、その役割を理解しておくことが重要です。
ASIが適用されるケース
自動的にセミコロンが挿入される場面
(1)文が改行された場合
let a = 1
let b = 2
Code language: JavaScript (javascript)
(2)波括弧 } が閉じられた場合
function foo() {
return
}
Code language: JavaScript (javascript)
(3)ファイルの終わりに達した場合
console.log("Hello, World")
Code language: JavaScript (javascript)
改行がセミコロンとして認識される条件
改行がある場合、JavaScriptはその位置で文が終わったと判断します。
しかし、場合によってはこれが意図しない動作を引き起こすことがあります。
ASIが適用されない例外ケース
次のような場合には正しく動作しないことがあります。
関数の引数リストや括弧が続く場合
let x = 5
(function() {
console.log(x)
})()
Code language: JavaScript (javascript)
ASIが引き起こす意図しない挙動
ASIが正しく動作しないと、意図しない挙動やエラーにつながることがあります。
ASIによるエラーの具体例
例1: return文で改行を入れた場合
function foo() {
return
{
key: "value"
}
}
console.log(foo()) // undefined
Code language: JavaScript (javascript)
このコードは次のように解釈されます。
function foo() {
return; // ASIがここにセミコロンを挿入
{
key: "value";
}
}
Code language: JavaScript (javascript)
結果として、undefined
が返されます。
例2: 関数呼び出し時の改行の影響
let x = 5
let y = 10
;(x + y).toString()
Code language: JavaScript (javascript)
このように、予期しない結果を避けるため、セミコロンを明示的に記述することが推奨されます。
セミコロンを使うべきか?省略すべきか?
これは非常に迷うところですがそれぞれ以下のようなメリットが考えられます。
セミコロンあり
- バグを防ぎやすい。
- 他のプログラミング言語と一貫性がある。
- 意図しないASIの挙動を回避できる。
セミコロンなし派
- コードがシンプルで読みやすい。
- ASIの仕組みを前提としたモダンな書き方。
- 必要な場合にだけセミコロンを追加すれば十分。
ASIを正しく理解して快適なJavaScriptコーディングを!
JavaScriptのASIは便利な機能ですが、仕組みを正しく理解しないと思わぬバグを招く原因にもなります。
この記事を通じて、ASIの挙動や注意点を理解し、快適なコーディングスタイルを実現してみてください!